絵付け×塗り絵×マンダラの新しい世界

──まずはじめに、先生のお名前と講座のご紹介をお願いします。

畠中
「曼荼羅塗り絵皿アーティスト養成講座」を主催しています、畠中晃子です。

──とても特徴的な講座名ですね。具体的にはどのようなことを教えられているのでしょうか?

畠中
家のオーブンで焼ける絵付けなんですが、
一番の特徴としては、ただの絵付けだけじゃなくて塗り絵の絵付けなんです。
しかもそれを曼荼羅(マンダラ)模様で塗り絵の絵付けをするという感じです。

──3つの要素が組み合わさっているような感じですね。

畠中
そうですね。
まず自律神経を整えるという効果があります。
自律神経が整うという効果の塗り絵の曼荼羅があるんですけれども、
ただ自分で塗るだけではなくて、それをお皿にすれば使えるし、プレゼントなどもできます。
完成したものを使うことができるので、達成感もありますし、
家族に「こんなの作ったよ」って見てもらいやすいんです。
受講生さんも家族が「いいやん!」って言ってくれるみたいで好評ですね。

──すごく複雑そうに見えるのですが…

畠中
本当に塗り絵なんで、そこまで難しくないんです。
1作目からそこそこの作品ができるというのが特徴だと思います。
絵付けをやったことがない方でも、絵が描けない方でも塗り絵なのでできるんです。

──模様を自分で作るというわけではないんですね?

畠中
「曼荼羅塗り絵皿アーティスト養成講座」の中では模様を作るということはないのですが、
受講生さんの中には塗り絵に慣れてくると、
だんだんと「描いてみたい」という風になるようですね。
職人の技をカルチャーに落とし込む挑戦

──ご自宅でできるということですが、普通の絵付けとはどう違うのでしょうか?

畠中
普通の絵付けはもともと線から描いていくんですけど、
これはお皿に線が貼ってあるので、それに色を塗っていくということをします。
この方法は私自身が考案したものなんです。
私は元々京都の伝統産業の中で仕事をしていたんですけども、
正直その職人の仕事をカルチャーにするというのは、
ほぼ不可能だなというのをすごく感じていました。
みなさん実際に線の1本を描くところから挫折されちゃうんですよね。
線が描けないから上塗りすることもできない、ということになってしまいます。
でも私の経験上、塗ることの方がずっと楽しいんです。
それで線を描かなくてもどうにか楽しんで絵付けが出来ないか、と考えていました。
私自身、他にも陶芸教室の絵付け教室もやっていまして、
そこの生徒さんを見て、
「それを塗り絵にしてやってもらえば楽しめるんではないか」と気づいたんです。
絵付けを楽しんでもらいたいという一心から始まりました。
職人から講師へのキャリア転換

──元々は職人として活動されていたということですか?

畠中
職人は京都でやっていましたが、結婚と同時に奈良に引っ越すことになったので、
職人として働いている間に、直接その料理屋さんとの取引をしたりもしていましたね。
料理屋さんで作ってもらいたい器を聞いて、
「じゃあこういうのどうですか?」と提案していました。
それでその器を作る人、絵付けする人みたいな感じで、
分業で作って卸すということをやっていました。

──その頃から教える仕事もされていたのですか?

畠中
陶芸教室は14年やってます。
もちろん絵付け教室もやっていて、
今、嵐山で新しく陶芸と絵付けの体験の施設をオープンしています。
そこは2階も結構広い場所があるので、
受講生さんとの交流会などもしていきたいなという風に思ってます。
オフラインでも教室をやっていまして、
「じゃらん」とかのアクティビティから体験される方いらっしゃるんですが、
やはり陶芸が人気があるんですね。
その中にたまに絵付けも入ってくるという感じです。
オンライン講座への挑戦

──オンラインでご自身で運営されていたという経験はありませんでしたか?

畠中
全くありませんでした。
インスタもほとんどやっていなかったんで、
もう最初わけがわからなくて、「もう無理や!」と思っていました。

──そこからオンラインで講座をやりたいなということで始められた経緯は?

畠中
この「曼荼羅塗り絵皿」はお家で焼けるっていうのがあったので、
通ってもらう必要がないなと思ったんです。
これならオンラインで講座ができる、と思い始めることにしました。

──オンラインでこの講座を始められてから大体今どれくらいですか?

畠中
2024年12月に今回の曼荼羅塗り絵皿の講座が始まって、今で4〜5ヶ月ぐらいです。

──今、生徒さんの数で言うと何名ぐらいですか?

畠中
35名ぐらいです。

──どういう方が多いんでしょうか?

畠中
今はプロモーションが変わったのですが、
最初の方は自律神経を整えていくということをメインに打ち出していたので、
更年期障害などで悩まれてる方も何人かいらっしゃいました。
それでも、その中のほとんどの方が、
ハンドメイドとか、マルシェとかに出したいとか、そういう方々が多かったと思います。
絵が描けなくてもできるというところに魅力を感じたと、
おっしゃってる方もいらっしゃいますね。
あとはやはり仕事にしたい方が多いですね。
60代の方が意外と多く、
今の仕事は体力的に厳しいので体力がいらないような副業のようなことをしたいという方も多いです。
作ることが好きで将来的に仕事として外に出したい、という感じでしょうか。
サポート体制の重要性

──最初はお1人でオンラインの集客を1回やってみたという感じですか?

畠中
オンライン講座をやりたかったんですが、
何も分からないので、集客のサポートを受けました。
それでも泣かず飛ばずの状態で1年ぐらいだったんです。
それで「もう私どうしようかな」「延長しようかな」と悩んでいる頃に、
ラフさんに拾っていただき、講座を起ち上げることになりました。

──ラフのもとで始めて、立ち上げまでどれくらいかかりましたか?

畠中
1ヶ月半です。
サポートしてもらってから1ヶ月半で立ち上がりました。
ありがとうございます。

──1人で集客活動をやっているところと比べて、今のサポート体制で心に感じる違いはありますか?

畠中
全く違いますし、自分1人では無理でした。
本当に「自分1人だと今の1割ぐらいのことしかできていなかったんじゃないかな?」
という風に思います。
講座が始まって、大変は大変ですけど、すごく学ぶこともたくさんありましたし、
裏方みなさんの役割というのも分かってなかったんですけども、
それも知ることができました。

──特にここは良かったというところはありますか?

畠中
やはりセールスの部分が一番大きく違うなっていうのを感じます。
受講生が私たちのところに来られる時には、
もう入会された時からになるので、
それ以外のことに気を向けなくていいということが大きいです。
受講生さんのサポートの方に集中して寄り添えるので、
そこがもう全然違うというか、いいところだなという思いがありますね。
今後の展望

──今後、自分のこの講座をこうしていきたいとか、こうなったらいいなという展望はありますか?

畠中
近々、曼荼羅ではない、普通のお花や季節のものなどもやろうと思っています。
そういったものを「クロレデコ」という名前をつけているんです。
曼荼羅塗り絵皿アーティスト養成講座も半年間のカリキュラムも終わるので、
その修了生さんたちの先の受け皿も必要というのもあって、
そこで1つコミュニティを作って、やっていこうかなという風に思ってます。

──それはこのマンダラ塗り絵皿とは全く違うような形になるんですか?

畠中
やる方法は同じですが、曼荼羅模様が入ってなくて、
例えば桜の花とかアジサイだとかを塗っていくんです。
あとはクリスマスとか、おひな様とか、
そういう季節のものをやっていくような感じにしようかなって思っています。
お皿以外にも、グラスなど色々なものにそういう感じのことをやってみようと思っています。

──それは陶芸と組み合わせるということですか?

畠中
そうですね。
嵐山の方で、伝統工芸士とか職人の人に手伝ってもらう形とかも考えています。
「例えばこういう形作りたいんです」って言って、
その寸法とかも全部決めたらそれを職人が作ってくれるんですね。
ですからそういったこともできますよ、というのは、これから提供するものの一つとして考えてます。

──基本的に焼き物と組み合わせるんでしょうか?

畠中
焼き物もですけどガラスもいいですよね。
ガラスは私も体験教室をやってて、結構絵付けの部分では一番人気があるんですが、
でもガラスの絵付けっていうのでは教えてる人が少ないんです。
そこでやっぱり圧倒的に綺麗なものを出せば、
きっと修了生の方々も仕事としてもやっていけるんじゃないかな、ということも考えています。
今後は皆さんの活動の輪を広げていきたいと思っています。
畠中晃子先生プロフィール
「曼荼羅塗り絵皿アーティスト養成講座」主催。
京都の伝統工芸業界で職人として活動後、奈良に移住。
12年間陶芸教室を運営しながら、家庭で楽しめる「曼荼羅塗り絵皿」を独自開発。
現在は嵐山で体験施設も運営し、伝統工芸の技術を身近に楽しめる形で提供している。