──『うちの子アーティスト養成講座』を募集されてから今でどのくらい経ったでしょうか。
さくさん
講座のコンセプトが固まって本格的に募集を描けたのが今年の4月半ばからなので…
ちょうど半年経ったぐらいですね。
──生徒さんは何名ぐらいになりましたか。
さくさん
もう200名ぐらいになってますね。
──半年で一気に200名はすごいペースですね。
この半年で色々な変化があったのではないでしょうか。
さくさん
ありましたねぇ。
本当に状況がガラっと変わりました。
──半年前と比べて、起こった一番大きな変化は?
さくさん
以前は会社に勤めながら、1人で生徒さんの募集からサポートまでやっていたんですけど
それが今は生徒さんが増えて、規模もあっという間に大きくなったので、
会社を辞めて、この講座に入って下さった生徒さんのサポートに全力を尽くすことが出来るようになった事が、一番大きな変化ですね。
生徒の成長
──200名も集まるとサポートが大変では?
さくさん
そうですね、うれしい悲鳴です(笑)
生徒さんもみんなとても熱心で、添削に1日11時間くらい費やす日もあって大変なんですけど、
皆さんみるみるうちに上達されて行くので、
私もその成長を見るのがすごく嬉しいですし、楽しいです。
──生徒さんが上達する秘訣は何ですか?
さくさん
私、実はすごく教えているという感覚があまりないんです。
最初の頃は文章でじっくり説明していたんですけど
生徒さんの熱がすごいので、ちょっと言っただけでも、10倍くらいの出来で返ってくるんです。
私もびっくりするんですけど周りの生徒さんも反応して
みんなで「すごいね!すごいね!」って盛り上がってます。
──生徒さんが盛り上がる講座を運営出来ているのは素晴らしいですね。
さく先生の原点
──今では自分の好きな事・得意な事で大活躍中のさく先生の原点を深ぼって行きたいのですが。
まず、さく先生が絵を描き始めたのはいつからですか?
さくさん
元々絵を描くのは好きで、子供の頃からマンガの表紙や好きなコマの絵を描いていましたね。
でも、私の兄がすごく絵が上手だったので、どうしても比べてしまって。
同じアニメのキャラクターを描いても、兄が描くとすっごい上手かったんですよ。
だから自分はそんなに絵は上手じゃないと思っていました。
でも、描きたい気持ちは強くて、漫画の模写をずっとやっていましたね。
転換期
──そこから絵が上達した転換点のような経験はあったでしょうか?
さくさん
高校に入ってから美術の先生に
『マス目』を引いてから描く技法を教わって。
そこから絵がぐっと変わりましたね。
教わった方法で描いた絵が、高校3年の最後の文化祭で校内で1位を取ることが出来たんです。
先生がみんなの前で見せて「ほら、みんな見てみ!」って。
恥ずかしくて嫌だったんですけど(笑)
そこで絵を描くことに自信がつきましたね。
──なるほど、その後すぐ色鉛筆で絵を描かれるように?
さくさん
いえ、実は一度絵から離れていた時期があったんです。
27歳で結婚して、子供が生まれてからは絵もほとんど描かなくなって。
かなり長い間、絵からは離れてましたね。
その間に離婚もして、経済的にもどん底でした。
私の人生の黒歴史です(笑)
もう本当に、当時は絵どころではなかったですね。
離婚をして気持ち的に楽にはなりましたけど(笑)
でも、経済的にはどん底のままで。
パートでは生活していけないので正社員で働けるところを探して面接を受けまくって。
でも、「シングルマザーで子供が小さい」となると、とにかく面接は落ちまくるんですよ。
必ず聞かれるのが「なにかあった時子供を預けるところはありますか?」です。
わたしの母も働いていたので「はい」とは言えず…
なので仕事が決まらないんです。
とりあえずなんとか生保レディにはなれたんですけど
そこがめちゃくちゃブラック企業だったので、1年で辞めました。
…と言うか1年経たないと辞めさせてくれなかったんです(笑)
それから縁あって入社出来た会社もパートからのスタートでした。
当時は残業で少しでも稼ごうと必死で働きましたね。
もう一度絵を描きたい
──そんな暗黒期を経てもう一度絵を描こうと思われたんですよね。
そのきっかけは何だったんでしょうか。
さくさん
私には大好きなアーティストがいて。
ある日ネットでそのアーティストの絵をファンが描いた
『ファンアート』を見かけて、絵描き心が刺激されたんです。
「私も描きたい!!」って。
高校の時に習った「マス目描き」で描いて
自分も同じようにTwitterに載せたら
「凄い!」「そっくり!」って沢山の感想を頂けた事が嬉しくって。
「もっともっと描きたい!!」ってなったんです。
たくさん描いて投稿した結果、ファンクラブの会報に掲載してもらえて。
ご本人のTV番組で紹介もされたんです。
──大好きなアーティストに自分の絵が届くのは嬉しいですね。
さくさん
はい。私には2つ夢があって。
彼らのシングルまたはアルバムのジャケ写を描く!
というのが1つ目の夢です(笑)
──素敵な夢だと思います(笑)その時は色鉛筆で描かれたんですか?
さくさん
いえ、モノトーンの鉛筆画でしたね。
色鉛筆画との出会い
──色鉛筆で絵を描き始めたのは?
さくさん
今から5年前くらいですね。
最初は全然描けなくて、一度鉛筆画に戻ったりもしました。
でも、やっぱりなんか色鉛筆で描くことが諦められなくて
ある日友達がLINEに載せていた飼い猫の写真をこっそり描いたんです。
上手く描けたのでその絵を友達に見せたら「おぉ〜」って感動してくれて。
あげてすぐに玄関に飾ってくれました。
その事がきっかけで、段々と動物の絵を色鉛筆で描くようになりましたね。
──その後も絵を描いた反響はありましたか?
さくさん
はい、私の好きなアーティストのファンが集まる
LINEグループで描いた猫を絵を載せたら
「自分ちの猫が亡くなったから描いて欲しい」という依頼が来たりしました。
もしかしたら自分のペットを描いて欲しい人が多いかも知れないと思って
そこから「猫の絵を描きます」ってオンラインサイトで自分の絵を販売してみたんです。
そしたら、猫の絵を描きますって出してたのに
一番最初に来た問い合わせが「犬かけますか?」って来て(笑)
──そうなんですね(笑)
さくさん
その方は愛犬の火葬に来ている間に絵を残したいって
急に思い立って1時間くらい血眼になって探されていたらしいんです。
それでたまたま私のページに辿り着いたみたいで
是非お願いしたいとおっしゃって。
「犬描いた事ないですけど大丈夫ですか?」って(笑)
でも、今思えばあれが転機でしたね。
──どういった転機になりましたか?
さくさん
「さく先生を世に知ってもらいたいです」って言ってくれて
私がネット販売になれてないのを見抜いて、
検索に引っかかるようアドバイスをしてくれたり。
「忙しくなりすぎて、あの頃は良かったなんて思うかもですよ!」って(笑)
でも、そこからガァーってオーダーが入るようになって
ありがたい事に本当に忙しくなりました。
講座立ち上げまでの道のり
──それは思い出深い出会いですね。
そこから絵を教えるようになった経緯をお聞き出来ますか?
さくさん
絵の描き方を教えようと思ったのは
オーダーを受けるようになって2年くらい経った頃ですね。
当時、オーダーを受ける時に
『描きたいけど描けない』っていう方がぽろぽろいたんです。
「本当は自分で描きたいけど、描けないのでお願いします」って。
──うちの子を自分で描きたいけど描けないという方が
多いという事に気付かれたんですね。
さくさん
そうです、そうです。
内心では「描けるのに…」って思いながら受けてて。
それで、うちの子を自分で描けるようになる講座をやって見ようとなりました。
──始めのうちは、どうやって生徒さんを集められていたんですか。
さくさん
最初は起業塾に入って、FacebookでPRする方法を学びました。
主にFacebookで繋がった人とコミュニケーションを取って、そこで募集をかけていましたね。
個別で一人一人体験会をやったりしていました。
仕事への転換点
──本業を辞めて講座一本で行こうと決意したタイミングや出来事はありますか?
さくさん
ありました。タイミングが本当に良かったんです。
講座がスタートして2ヶ月ぐらいは本業と両立してたんですけど
その時期、会社の仕事がちょうど暇になってきたんです。
だから残業代も出ないとなって。
当時は残業代が出ないと生活出来なかったので(笑)
猫も12匹飼っていて、その子達を食べさせるご飯代にも困ってましたから。
プラス定年近くて、早期退職を募集があったらしようと思ってたんですけど
「うちの工場は募集しない」って言われてしまい…
その一方で講座はどんどん受講希望者が増えて行って
これ言うと怒られますけど、仕事の合間で添削もしていましたね(笑)
その状態が続いたので「じゃあもうこっちにシフトしよう!」ってなりましたね。
──本業を辞めても大丈夫なくらい伸びたという事ですね。
さくさん
はい、本当におかげさまです。
──お教室や、習い事の講座でここまで短期間で生徒さんが増えることは
珍しいと思いますが、何がこうなった要因だと思いますか?
さくさん
それはもう、ラフさんに全面的にバックアップして頂いたからですね。
やっている事は1人でやっていた頃と違いはないんですよ。
でも、発信の仕方というか、この講座の本当の価値の伝え方が変わったと思うんです。
──そう思うエピソードなどはありますか?
さくさん
講座に入られた方に「刺さった」ってよく言われるんです。
なんかインスタに流れて来た動画が目に止まって
そこで「あ!」ってなるってよく言われます。
止まって見ていったら「ここが自分が求めてたものだ!」って。
──実際にそう言われるんですね。
さくさん
言われます。言われます。
例えば、同じ色鉛筆画の教室でも
「色鉛筆で絵が描けるようになります」
「色鉛筆画を教えます」
って言われても全然刺さらないって言ってました。
うちの子を描きたいなと思って、色鉛筆画の教室を探すけど
他の教室は、りんごとかブドウの描き方を教えてもらうだけで
いつまでたっても自分の子は描かせてくれない。
そんなのは自分が求めてるもんじゃないって。
やっぱりいきなりうちの子が描けるようになるって言うところが刺さるみたいで。
差別化とも違う感じっていうのかな…
──1人でやっていると講座の価値の打ち出し方が見つけられなかった?
さくさん
そうですね。
「うちの子を描きたい」と思っている方が多いのは分かってたけど
描けるようになる事を拡げるすべを知らなくて。
必要としてくれる方の目に届けて頂けたので、すごいありがたかったかなと思います。
やっぱり、自分1人じゃ難しかったと思います。
1人だと絵を教えるのが本業なのにそうじゃないこともやらないといけないですし。
ちょっと頑張ろうと思った時期もあったんですけどね。
でも、「絵も書かかないけんし、こっちもやらないけんから1からこれ勉強したらいいよって言われてもできんのですよ!その時間がないんですよ!」
って、すっごい文句言ってた(笑)
絵を教える事以外を巻き取ってくれたのでもう全然違います。
今後の展望
──今後のこの講座をどうして行きたいとか目標や展望はありますか?
さくさん
やっぱりうちの子を描きたい・描けるようになりたい人が多いので
うちの子を描く活動の輪をもっと大きくして行きたいと思っています。
──具体的に考えている活動はありますか?
さくさん
うちの子を描く人が集まるコミュニティを作って行きたいと思っています。
そのコミュニティを大きくする事が私のもう一つの夢です。
私が絵を教えるだけではなくって、
そのコミュニティの中で生徒さん達自身が
自分の教室を持ってお互いを高め合える場所にしたり…
個展も開きたいですね。
実は来年の夏に大阪でグループ個展をやる事が決まってるんです。
──すごい!おめでとうとざいます。
さくさん
それから、オンラインだけではなくて
全国で対面のグループレッスンもやっていきたいと思っています。
描く技術を上げるだけだったら、オンラインでやっても
対面でやってもあんまり変わらないと思うんです。
実際にオンラインでみんな描けるようになっているので。
でも、「目の前で描くところを見たい」という声をたくさん頂くので。
──やっぱり先生が目の前で生で描くところを見る体験は貴重ですよね。
さくさん
そうみたいです(笑)
生徒さん同士で横の繋がりも強くなると思いますし
3、4ヶ月に1回くらいのペースで全国を回れたらと思っています。
各地で「私が会場のセッティングを手伝います」という声もいただいていて。
この輪がどんどん広がっていくのを感じています。
──今後のうちの子アーティスト養成講座の成長がますます楽しみです!
さく先生プロフィール
子供の頃から絵を描き続け、高校時代にグリッド線技法との出会いで技術が飛躍的に向上。
友人の猫の絵を描いたことをきっかけに、色鉛筆でペットを描く活動を開始。
オンラインサイトminneでの作品販売を経て、「うちの子アーティスト養成講座」を立ち上げる。
現在は約200人の生徒を持ち、全国でのグループレッスンも展開予定。
12匹の猫と暮らしながら、日々生徒との添削に情熱を注いでいる。